思考力に秀でたハイパフォーマーの共通点 – アセットケア代表 宮田丈裕氏(3/4)

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KOLEIZOSCOPEインタビューの記念すべき第一回は、株式会社アセットケア 代表取締役の宮田丈裕さん、および長年にわたり宮田さんと協働しておられる西野亜希さんにお話をうかがいました。お二人が過去10年以上にわたり関わってこられた人材アセスメントや各種人材開発プログラムの経験から見えてくる本質的な課題とは何か。また、その対応についてはどのような方法がありうるのかについて、語っていただきました。


  1. Chapter 1思考力不足という単純にして重大な課題
  2. Chapter 2思考力が鈍化してきた背景への仮説
  3. Chapter 3:思考力に秀でたハイパフォーマーの共通点
  4. Chapter 4Key Questioner (KQ)のアプローチ

Chapter 3:思考力に秀でたハイパフォーマーの共通点

古森
逆に、これまでアセスメントを行った1,300名あまりの方々の中で、少数派ながらハイパフォーマーもそれなりの数いらっしゃったわけですよね。その方々に共通する要素というのは、何か見えてきていますか。

宮田
あります。思考力や構想力があって、仕事の実績面でもインパクトを出し続けているハイパフォーマーには、ある種の共通項があります。全員とは言いませんが、かなり顕著な傾向です。
古森
大変興味があります。お聞かせください。
宮田
多くの方は、30代前半くらいまでの時期に、何らかの形で修羅場をくぐっておられますね。例えば、直属の上司がいない状況で何か重大なことを決めなければならないとか。あるいは、前例のない状況に自分一人で放り込まれた、もしくは巻き込まれたなど・・・。
西野
そして、仕事の場面だけとは限らないですね。例えば、仕事面でそれほど修羅場化した経験がなくても、個人的に大病を患った経験をお持ちだとか、ご家族のご病気やご不幸だとか。要するに、仕事起因であろうと個人的なものであろうと、毎日毎日「なぜなんだ」「どうすればいいんだ」「私は何をすべきなんだ」と、自問自答し続けた経験を持つ人が、結果的に思考力・構想力を発揮できるハイパフォーマーになっておられる傾向があります。
古森
それは非常に腑に落ちるお話です。

宮田
厳密に言うと、自問自答する経験だけではないのです。絶望的な状況の中で、日々自問自答しながら、試行錯誤もしていくわけです。だって、他に誰も助けてくれる人がいないのですから。問題が進行している場合は、考えたうえで何か行動を起こさなければ、状況が悪化するわけです。そして、うまくいかなかったら「全部自分のせい」なのです。日々考えて、実際にトライしてみて、その結果が全部自分に返ってくる状況。こうした場面を経験するかどうかが、思考力・構想力に秀でたハイパフォーマーが生まれる上でのカギになっているようです。


西野
そこからさらに、他者が遭遇している出来事についても自分のことのようにイメージしてとらえ、自問自答するという思考回路や感性を発達させていく人が多いです。ここも重要なポイントです。
古森
他人が陥っている厳しい状況などを見て、「あれは、本当は何が起きているのだろうか」「私だったら、どう考えるか」と考えてみるわけですね。これ、ちょっとゾクゾクっとしたのですが、私が通常リーダーシップ研修などでお話していることと一緒です。
宮田
ほほぉ、そうですか。
古森
「自己投影力」とか「わがこと化力」などと私は呼んでいますが、上級のリーダーシップをとることが出来る人は、これが強いのです。ケース活用型研修などをやっていても、これはクリアに見えてきますね。
宮田
まさにそういうポイントです。
古森
リーダーシップの適性が低い人は、まず「ケースに描かれた事実の詳細度が足りないから想像しにくい」という類のことをおっしゃいます。それから、「あなたならどう思いますか」とおたずねしても、「この人は多分・・・」などとお答えになります。明示的に求めてもなお、「わがこと化」できないのです。一方、リーダーシップの適性が高い人は、ちょっと考えた後、迷わず「こうしますね」とお答えになる場合が多いです。これは、研修的な場面で数多くの方々と接してきて、経験値的に感じている部分です。

>> Chapter 4:Key Questioner (KQ)のアプローチ