独自のプログラム開発 – SOPHYS Corporation CEO & President Fariza Abidova(ファリザ・アビドヴァ)さん(3/5)

SOPHYS Corporation CEO & President Fariza Abidova

  1. ウズベキスタンから神戸へ
  2. 「職場での異文化理解」の研究
  3. 独自のプログラム開発
  4. 日本企業のグローバル化課題
  5. 今後の展望

3.独自のプログラム開発

ファリザ
私は、この一連の研究を通じて発見した共通のパターンにもとづいて、日本企業が海外スタッフと協働する際のマネジメント上の課題とコミュニケーション上の問題にフォーカスしたセミナー・プログラムを開発しました。
古森
研究に終わらせず、自分の手で問題解決を行う方向へと踏み込んでいったわけですね。
ファリザ
はい。私が開発したこのセミナー・プログラムは、日本企業の実務上の問題を解決することを目的としていました。当時の日本企業では、グローバル・プロジェクトの担当者に対して何らかの形で異文化関連研修は実施していましたが、多くの場合、実質的には「英会話レッスン」をベースにしたものでした。実際、多くの企業が、グローバル・プロジェクトを管理・推進していくためには、英語のスキルがあれば十分だと考えていたきらいもあります。グローバル・プロジェクトの担当者に対して何の研修も実施せず、担当者の海外赴任中に独力で必要なスキルを身に付けるように指示していたケースもいくつかありました。
古森
それでは、仮に言葉の壁を超えることが出来たとしても、異文化の壁は超えにくいでしょうね。
ファリザ
そうした中で、私が異文化理解のセミナー・プログラムを訴求しても、ふりむいて頂けない場合が多かったですね。でも、私はめげずに追加の情報収集や分析を進めました。具体的には、日本人マネージャー200人と、日本人と何らかの協働経験がある外国人ビジネスパーソン500人に対するさらなるインタビューと調査の実施です。そこから見えてきたものをケーススタディー化したり、独自のデータベースを作成するなどして、カスタマイズした新たなセミナー・プログラムの開発へと結びつけました。
古森
当初は逆境だったようですが、神戸大学時代の体験や問題意識が前に進む支えになっていたのでしょうね。
ファリザ
そう思います。そうしているうちに、2011年頃からグローバルビジネスにおける異文化理解の重要性についてメディア全体が伝えるようになってきました。異文化理解の課題について、世間の認知や意識が高まってきたのです。その頃から、私の開発したセミナーも認知され始めました。
古森
あきらめずに追求していく中で、好機が訪れたということですね。
ファリザ
それ以来、私はおもに日本企業の異文化理解関連の課題解決にフォーカスしたソリューションを提供し続けています。ひとくちに異文化理解と言いましても、クライアントによって課題の状況やステージが異なりますので、しっかりと内情を理解して取り組むように心がけています。おかげさまで、現在は90%のクライアントがリピーターです。

Fariza Abidova

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