ふと思う系

そろそろ死ぬだろうと思いつつ、『日々決算』の心で生きていけば、あまり悩むことはない。嫌なことや難しいこと、苦しいことは無くならないが、悩みにはならない。誰がどう言おうと、まず『自分』を100%生きようとすることだ。
人類最後の日が来たとしても、奪う人ばかりではない。祈る人や、何か良いことをして終わろうとする人もたくさんいるだろう。それで良い。日々の『自分』の姿だけがこの世の真実だ。皆が同じ感性にはならない。人も多様な自然界の一部だ。
人間の『自分』の中には、必ず他者への感性が含まれている。その度合いには個人差が大きいが、必ずある。個々人の中でもステージで差がある。本当に100%の『自分』を意識することができたら、結果的には利己だけでなく利他的な部分も出てくる。
それは、必ずしも偉業をなすようなことではなく、いじめられている人を可哀想だと思った時に見捨てないとか、本当は守らなきゃいけないなと感じるちいさな約束を本当に守ることだったりとか。気にとまった他者の状況に対して、心の声に従うことだ。
それを本当に行動に移す回数が増えたら、だんだん利他的な心のシェアも上がっていくんじゃないかな。それもこれも、詰まるところ『自分』の心の向く方向での動きが大事なのであって、自己が満足しない形での利他というのは難しいと思う。
利己と利他が背反なのではなくて、どっちも『自分』なんだということに気づくことが大事だ。自分が自分を自分一人で認めることができるかどうか。誰がなんと言おうと、それができるかどうか。それが本当の意味での『個』なのだと思う。

【ふと思う系】古森 剛 (著) 単行本
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【ふと思う系】単行本(ソフトカバー)– 2015/12/10

古森 剛 (著), 畑上 照夫 (写真)
単行本(ソフトカバー) 1,968円