斬新な足型計測、Genki-Kidsの挑戦 – ムーンスター代表 猪山渡氏(3/5)

The Value Talk 4 株式会社ムーンスター 代表 猪山渡さん

  1. 波乱の船出~ブランディングにかける
  2. MADE IN KURUMEとShoes Like Pottery
  3. 斬新な足型計測、Genki-Kidsの挑戦
  4. フロンティアとしての海外市場
  5. Time with pride ~ ひたむきに、歩み続ける。

Chapter 3:斬新な足型計測、Genki-Kidsの挑戦

猪山
古森さん、Genki-Kidsという店をご存知ですか。
古森
はい、うちにも子供がおりますので。
猪山
ブランドのメッセージを直接お客様にお届けする方法として、いわゆるSPA(注:企画、製造、小売までを一貫して行うビジネスモデル)のアプローチも模索しています。これまで弊社では駅前商店街の靴屋さんから大型店まで様々なチャネルを通して製品を世に送り出してきましたが、お客様と直接の接点を持つことはできていなかったのです。SPAモデルは、そうしたお客様と弊社の関係を新たなステージに導いていくうえで、突破口になるものと思います。Genki-Kidsは、そのSPAモデルの初期的成功例です。10年前から試行錯誤を始めて今日に至ります。
古森
そういうコンテクストでのGenki-Kidsだったのですね。子供さんのいるご家庭では、チャネルとしての認知度はかなり高いのではないでしょうか。
猪山
moonstar-photo04おかげさまで、来年には全国で50店舗に手がとどきそうなところまで来ました。しかも、新規だけでなく既存店ベースでも販売が伸びているのです。この背景としては、「足型計測」というサービスを導入したのが起爆剤の一つになっています。足型計測と言いましても、単に計測するだけでは意味がないわけです。計測した後に最適な靴をおすすめする提案力が伴わなければ価値が出せません。その点、弊社は製品開発の過程でこれまでに数え切れないほどの足型の計測と、それをもとにした靴の開発を重ねてきました。弊社の経験とノウハウの蓄積が活かせるサービスになっています。
古森
既存店ベースでも成長しているというのが素晴らしいですね。お客様に継続的に支持されているのでしょう。
猪山
また、同じくお客様との直接の接点づくりという点では、「ネットの靴屋さん」という名称でeコマースのサイトも運営しています。先ほどのGenki-KIdsにしてもeコマースにしても、当初は「メーカーが小売りをやるなんて」という冷ややかな声も社内外にありました。遠慮もありました。しかし、経営の基軸はブランディングですので、お客様との直接の接点を増やしていく方向で決断を重ねていきます。
古森
チャネルだけでなく、製品開発面でもなにか動きはありますか。
猪山
若手を中心に、新しい芽が出てきています。「バネの力」というジュニア向けのシリーズがありまして、お客様から高い支持を得ています。このシリーズ、実は入社2~3年目の社員が議論して出してきたアイディアなのです。このバネのコンセプトは、当初はウォーキングシューズに使う方向性だったのですが、それをジュニア向けに使ってヒットしました。「バネ」というキーワードを製品の名称に入れるあたりも、若手の発想の賜物です。正式な名称は「Super Star バネの力」というのですが、結局「Super Star」の部分よりも「バネ」の部分が子供たちに覚えられているようです。
古森
moonstar-photo05若手の方の創造性やひらめきがターゲットセグメントに対して刺さっているわけですね。組織の中にクリエイティブな要素が出てきていますね。
猪山
ちなみに大人向けのセグメントでも、クリエイティブな動きがあります。もともと弊社は介護用の靴などもありますので、病院を訪問する営業担当もいます。そうした病院の現場での声を丹念に拾って、営業サイドの発案から「大人の上ばき」というヒットが生まれました。
古森
大人の上履き・・・
猪山
従来、営業から声があがってきても、それが製品化につながることは稀で、さらにそれがヒットまでしたとなると大きな変化です。ほかにも、「私たちが履きたい本気靴プロジェクト」というものも進行中です。これはまだ内容は明かせませんが、来春にはさらに新しい価値を世の中に発信できるだろうと思います。
古森
次々と新しい動きが生まれ、世に出ていきますね。来春が楽しみです。

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